皮膚に貼り付けて計測し続ける「パッチ型中心血圧計」
カリフォルニア大学サンディエゴ校の研究者が、皮膚に張り付けるだけで、中心血圧を継続的に測定できるパッチを開発した。センサー付カテーテルなどに比べると人体に対する侵襲性が極めて低いパッチを使用することで、心臓などの臓器の状態をはるかに容易にモニターできるようになる可能性がある。 by Rachel Metz2018.10.03
血圧を測定するために、腕にごついバンドを巻かれた経験は誰でもあるはずだ。だがいつか近いうちに、郵便切手ほどの大きさの粘着式パッチを首に貼り付けるだけで済むようになるかもしれない。
カリフォルニア大学サンディエゴ校のシェン・シュー助教授らの研究チームは、血圧を測定できるパッチを実現すべく研究に取り組んでいる。研究チームが開発しているパッチは、体のさまざまな部位に血液を送る心臓の大動脈起始部の血圧である「中心血圧」を継続的に測定できるものだ。このパッチを用いることで、心臓の状態の監視や、肝臓、肺、脳などの生命維持に欠かせない臓器の観察がはるかに容易になる可能性がある。
シュー助教授らが開発しているシリコン・エラストマー製のパッチは、着用者の肌を貫通して組織や血液で反射する超音波を発することで血圧を測定する。生体内で反射した超音波はセンサーに受信され、血圧データを処理するノートPCに送られる(少なくとも現時点ではノートPCと電源に接続する必要がある)。このパッチは、知られている限りでは、皮膚より下の体内の状態を感知できる最初のウェアラブル機器だ。
理屈の上では、このパッチは、自宅で患者の状態を長期間にわたって監視するのに使 …
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