創業102年の航空宇宙関連企業ともなれば、世の中の流れに遅れまいとするプレッシャーと常に向き合う必要がある。ボーイングにとっては将来の産業への投資、グレッグ・ハイスロップ最高技術責任者(CTO)にとってはすなわち人工知能(AI)を意味する。
「AIは現在、複雑な業務をこなすパイロットをサポートする役割を担っています」。9月13日に開催された、MITテクノロジーレビュー主催のカンファレンス「EmTech(エムテック)」でハイスロップCTOはこう述べた。世界的なパイロット不足が目前に迫る中、AIはパイロット、とりわけ経験の浅いパイロットを支援することになるだろう。危険を回避したり、危険から安全に抜け出したりするのをサポートするのだ。「私たちはAIをこうした分野で活用していくつもりです」とハイスロップCTOは語った。
ハイスロップCTOが考える、航空宇宙産業の最大の課題は、数千どころか1000万機の航空機が空を飛びかう中、いかにして高い安全性を維持していくかということだ。
「AIをベースにした操縦システムで …