健康状態を「壁越し」でも追跡できる新装置、MIT教授が開発
マサチューセッツ工科大学(MIT)のカタビ教授は、計測用装置を身に着けることなく、電波の反射を使って個人の生理信号を収集する装置を開発している。被験者の負担を大きく軽減できるヘルスケア用品としての商品化を目指し、スタートアップ企業も立ち上げている。 by Rachel Metz2018.09.25
Wi-Fiルーターのようなボックスが自宅に置いてあって、家の中を動き回っている間に、呼吸や心拍、睡眠、歩行といったあらゆる生理信号を追跡しているとしたらどうだろう。
マサチューセッツ工科大学(MIT)で電気工学・コンピューター科学を研究するディナ・カタビ教授の研究室は、まさにこうしたボックスを作成した。現在、身体の臨床データを得ようとすると、高価で、かさ張って、着心地の悪い装置を身につけなければならない。このボックスがそういった一連の装置に取って代わる日はそう遠くない、とカタビ教授は考えている。
カタビ教授が、マサチューセッツ州ケンブリッジで開催されたMITテクノロジーレビュー主催のカンファレンス「EmTech(エムテック)」で9月13日に語ったところによると、ここ数年かけて作成しているボックスは、人が動く時に、それが例えば呼吸といったほんの僅かな動きであっても、周囲の電磁場を変化させるという事実をうまく利用したものだという。
この装置は、1〜2ベッドルームほどの広さのアパートの空間に低電力の無線信号を(壁越しでも)送信し、人体に反射させる。次に機械学習を使用してそれらの反射信号を分析し、生理データを …
- 人気の記事ランキング
-
- OpenAI has created an AI model for longevity science オープンAI、「GPT-4b micro」で科学分野に参入へ
- Promotion Innovators Under 35 Japan × CROSS U 無料イベント「U35イノベーターと考える研究者のキャリア戦略」のご案内
- AI means the end of internet search as we’ve known it 「ググる」時代の終わり、 世界の知識を解き放つ 生成AI検索がもたらすもの
- 10 Breakthrough Technologies 2025 MITTRが選んだ 世界を変える10大技術 2025年版
- Driving into the future 「世界を変える10大技術」の舞台裏、2024年の誤算とは?