エネルギー・システムを素早く全面的に細かくチェックし、さらなる環境破壊を止めることができれば言うことはない。だが、より現実的な方策は、これまでより暖かく、湿度が高く、そして自然災害に対して脆弱な世界での生活に備えることだ——。そう語るのは、ハーバード大学環境センター長を務めるダニエル・シュラグ教授である。
9月12日、MITテクノロジーレビュー主催のカンファレンス「EmTech(エムテック)」でシュラグ教授は、世界のエネルギー供給を環境災害を止めるのに間に合うように転換することの難しさを強調した。「おそらく、我々がこれまでに対処してきた世界中の問題の中で最も難しいものかもしれません」。
その難しさの一部は、炭素循環の極端に長い時間尺度に端を発する。現在大気中に存在する二酸化炭素排出物の半分以上は100
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