頼む、アレクサ、
会話を成立させてくれ!
アマゾンが賞金250万ドル
アマゾンは、パーソナルアシスタント「アレクサ」が会話を20分できるようになる研究に、250万ドルの賞金を提供する。 by Will Knight2016.09.30
アマゾンの音声認識式コンピューター「アレクサ」は天気をチェックしたり、曲を聴いたりするような単純な仕事には驚くほど役に立つ。しかしアレクサは、それほど話し上手ではない。
eコマースの巨大企業が水曜日に発表した250万ドルの賞金は、アレクサをもう少しおしゃべりにするのが目的としている。しかし賞金を獲得するには、機械による言語理解力の分野に、かなり急激な変化がないと難しい。
アマゾンは研究者に、アレクサがさまざまな話題を話せるようにするアプリを開発してもらいたいと思っている。アマゾンはたくさんの研究チームに各10万ドルを出資し、数ある中で最高のボットに、50万ドルを賞金として出す。約20分間の会話を続けられるボットを開発できたチームには、さらに100万ドルの賞金が与える。アマゾンのジェフ・ベゾスCEOがオーナーを務めているワシントンポストが保存する全ての文書など、参加する研究者には、さまざまなデータベースが利用可能になる。
深層学習のような機械学習手法により、自然言語処理で大きな進歩が遂げられようとしている時に開催されることになる、興味深いコンテストだ。今週前半、グーグルは人間が翻訳できるのと同じくらい上手に文書を翻訳できるシステムを発表し、言語翻訳の世界で、感動的で画期的な事件になった。これは凄いことだ。なぜなら翻訳は語彙だけでなく、構文の理解力(文章の構造を機械が理解できるように正確に入力するのは難しい)にも依存するからだ。
いまだに言語は、複雑さ、曖昧さ、そして言語の背後にある常識のせいで、機械にとって、この上なく難解なままだ。 曖昧な意味を理解させる最近のコンテストでは、その曖昧さを即座に解読する人間の能力に機械が対応できるようになるまで、まだまだ道のりは長いことが判明した。
したがって、アレクサがおしゃべりになることは、当分期待できない。
(関連記事:“Google’s New Service Translates Languages Almost As Well As Humans Can,” “AI’s Language Problem,” “A Tougher Turing Test Exposes Chatbots’ Stupidity”)
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- ウィル ナイト [Will Knight]米国版 AI担当上級編集者
- MITテクノロジーレビューのAI担当上級編集者です。知性を宿す機械やロボット、自動化について扱うことが多いですが、コンピューティングのほぼすべての側面に関心があります。南ロンドン育ちで、当時最強のシンクレアZX Spectrumで初めてのプログラムコード(無限ループにハマった)を書きました。MITテクノロジーレビュー以前は、ニューサイエンティスト誌のオンライン版編集者でした。もし質問などがあれば、メールを送ってください。