パリモーターショー開催
電気自動車時代の幕開け
パリモーターショーは、さながら第1回電気自動車ショーだ。 by Jamie Condliffe2016.09.30
パリモーターショーの開催(10月1日~16日)で、自動車の未来について非常に明確になることがひとつある。電気自動車の時代が訪れるのだ。
多くの自動車メーカーがパリモーターショーへの出展を取りやめたことは、さんざん報道されている。Bloombergが伝えているとおり、フォードやボルボ、ロールス・ロイス、アストンマーティン、ランボルギーニ等の自動車メーカーは、パリモーターショーに参加するより、ソーシャルメディアやもっと限定的なイベントで新車の情報を発表する方がよいと思っているようだ。
しかし、出展メーカーにとって、おフランスで電気自動車を発表することは明らかに賢い方法なのでザンス。
おそらく、最も注目すべき発表は一般消費者にも手が届く価格帯の新車だろう。たとえばルノーが発表した新型電気自動車Zoeの一充電走行距離はとても長く、テスラ モデルSとほぼ同じ約400kmだという。ただし今年後半にヨーロッパで販売されるZoeの予定価格は、テスラ モデルSより低い約3万ドル。Zoeは今年後半に3万7500ドルで販売予定のシボレーボルトと来年に3万5000ドルで販売される予定のテスラ モデル3の対抗車種だ。
他には、スマート(ダイムラーの子会社)のシティカー「フォーツー」の電気自動車版が発表された。カブリオレは、現在販売中のオープンカーで唯一の完全な電気自動車だ。フォーツーの一充電走行距離はわずか約160kmだが、ヨーロッパで2万6000ドルで販売予定(米国でも2017年の上半期中に販売予定)だ。また、BMWは小型電気自動車のi3をリニューアルした。i3は新型バッテリーパックにより、一充電走行距離は約200kmになった。
しかし、発表されたすべての自動車がすぐに道路を走るわけではない。メルセデス・ベンツは1回の充電で約499km走行できる電池式SUVのコンセプトカーを発表した。また、未来的なフォルクスワーゲンのI.D試作車は1回の充電で約611km走行できるように設計されている。だが、市販は2020年まで待たなくてはならない。
新発表の自動車は他にもある。フォルクスワーゲンのワゴン車、ポルシェパナメーラのプラグインハイブリッド版。ウォール・ストリート・ジャーナル紙によれば、約24種の電動自動車がパリモーターショーで発表される。この記事では並べきれないほどだ。
確かに、発表される自動車の全てがすぐに道路を走るわけではない。しかし、ほとんど全ての自動車メーカーが今後4年のうちに電気自動車の販売を準備しているようなのだ。このタイミングはBloomberg New Energy Financeの「電池の価格傾向に基づけば、2020年代には電気自動車がガソリン車に取って代わるだろう」という予想とぴったり一致する。
パリモーターショーを訪れた人は、電気自動車時代が今すぐ始まらないことにショックを受けるのではないか。
(関連記事:The Wall Street Journal, Bloomberg, “The 2020s Could Be the Decade When Electric Cars Take Over,” “The Chevrolet Bolt Has Totally Trumped Tesla’s Model 3”)
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