都市生活は驚くばかりの勢いで成長している。1985年には20億人の人々が都市で生活していたが、現在その数は40億人になっている。2050年には60億人が都市に住むようになると言われている。
都市はこの状況に適応していかなければならない。それには、横に面積を広げていく方法か、超高層ビルをさらに建設して縦に伸ばしていく方法が可能だ。実際、中国や中東などの多くの都市は後者の方法で増加する人口に対応している。
そこで興味深い疑問が浮かび上がる。超高層ビルの建設が続けば、未来の都市はどのようなものになるのだろうか? 今後30年の間に超高層ビルはどのように増えていくだろうか?
現在、ニューヨークのコロンビア大学の大学院生であるジョナサン・オーバックとフィリス・ワンによって1つの答えが得られている。2人は超高層ビル建設の歴史的なパターンを研究し、それに基づいて今後の成長パターンを予測した。研究結果によると、超高層ビルは今後、都市や都市に住む人々の生活においてこれまで以上に重要な役割を果たすことになるという。
オーバックとワンの研究方法は単純だ。シカゴの超高層ビル・都市居住協議会(Council on Tall Buildings and Urban Habitat)が収集した超高層ビルのデータベースの調査から開始した。同協議会は、超高層ビルの基準を設定し「世界一高いビル」などの称号を審査している。今回の研究でオーバックとワンは、高さ150メートルを超すビルを「超高層ビル」として定義した。該当する超高層ビルは世界258都 …