米証券取引委員会、ウィンクルボス兄弟のビットコインETFを拒否
米証券取引委員会(SEC)が、ウィンクルボス兄弟が申請していたビットコインベースのETF(上場投資信託)を拒否した。理由は明確だ。ビットコインの価格操作に関する懸念が払拭されていないというのだ。
キャメロンとタイラーのウィンクルボス兄弟は、2011年公開の映画 『ソーシャル・ネットワーク(The Social Network)』でも描かれているように、フェイスブックの初期の時代にテック業界で話題になった人物である。その後、最も有名なビットコイン起業家の2人となった。ETF とは、株式や債権、商品、その他のタイプの原資産で構成され、投資家に取引可能な株式として提供するファンドだ。ウィンクルボス兄弟が作りたいと考えているのは、原資産がビットコインのETFだ。
ウィンクルボス兄弟が申請したETFが3対1でSECに拒否されたのは、今回が2度目だ。前回は2017年3月に拒否されている。今回のSECの判断は、ビットコイン支持者にとっては痛手だ。というのも、判断を見守っていた彼らは、ビットコインETFが法的に認められれば、機関投資家の流入につながり、さらにはビットコイン市場の合法化へとつながると期待していたのだ。
SECは長大な分析レポートの中で、ビットコインは取引の大半が米国外の「規制されていない取引所」で行われており、今日までに築かれたビットコイン市場を研究できるデータがない、と嘆いている。また、無規制の取引所の一部がビットコインの価格を操作している可能性があることを示唆する最近の学術調査についても言及している。そして、SECは、総合的に判断して、ウィンクルボス兄弟のファンドが詐欺に対する十分な耐性を持っているとはいえないと結論付けた。
ただ、SECがビットコインETF誕生の可能性に対して、まだ扉を閉めていないことはSECによる分析を見ても明らかだ。さらに、ロイターの報道によると、少なくとも他に5件のETF案件が協議中だ。 ウィンクルボス兄弟が再挑戦したとしても、驚くべきことではない。