暗号通貨でどう儲ける? FB「リブラ」の責任者が疑問に回答
フェイスブックのデビッド・マーカスは、同社が立ち上げを計画しているブロックチェーン・ネットワーク「リブラ(Libra)」への批判に対し、自らの投稿で「透明性」をアピールした。
まず、リブラは真の非中央集権型ではないとする人々に対し、7月3日の投稿で「その点は理解しています」としたうえで、「しかし、基盤となる最初の段階では、ネットワークの整合性を確保するために必要な運用上の専門知識を有し、規制された環境で運用できる信頼された事業体からスタートすることが非常に重要でした」と述べた。
マーカスは、「今後、パーミッションレス(非許可型)な状態に徐々に切り替えていくことを約束します」と強調した。そして、当面においても「さまざまな地域に分散された多様な産業の100もの団体が参加しているという事実からは、かなり非中央集権型と言えるのではないかと思います」と付け加えた(しかし、実際のところは、現時点ではわずか28団体しか参加していない)。
マーカスによれば、フェイスブックは金融包摂に真剣に取り組んでいるとしており、「もしもリブラが成功したら、金融包摂をもっとも必要としている何十億もの人々にとって巨大な変化になるだろうと確信しています」と、大ぶろしきを広げる。この「もしも」は、非常に大きな「もしも」だ。
金融規制および、リブラにとって適した環境については、「根底となるのは、不正取引がはびこる現金取引から、規制を正しく判断・遂行できるデジタルネットワーク上の取引への移行のさらなる促進と、『本人確認(KYC:Know Your Customer、顧客本人の身元確認における手続きの総称)』慣行からの脱却であると確信しています。司法当局や規制当局によるブロックチェーン上の活動の独自分析と併せれば、金融犯罪の監視および取り締まりの有効性を高めるための大きなチャンスとなるでしょう」と言う。もっとも、この手の「透明性」は、プライバシー支持者とは折り合いが悪い。
最後に、マーカスは「リブラは、フェイスブックにとってどんな利益があるのか?」という私たちの以前の質問に、次のように答えている。「リブラが成功したら、フェイスブックはまずアプリのファミリー全体の商取引が増えるという利益を得ます。(将来的に)リブラ向けのデジタルウォレットである『カリブラ(Calibra)ウォレット』が徐々に信頼を得れば、フェイスブックはさらに多くの金融サービスを提供できるようになり、さらなる収益が見込めます」。
非常に興味深くはあるが、これも金融包摂と同じように、大きな「もしも」の1つにすぎない。