2030年にも「1.5度上昇」に到達、早急に対策を——IPCCが警鐘
国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」から10月8日、重要な気候報告書が発表された。報告書によると、猛暑や干ばつ、洪水、貧困を避けるため、平均気温の上昇をパリ協定で合意した産業革命前比2℃未満ではなく、1.5°Cにまで抑えなければならないという。
地球温暖化による悲惨な結末を避けるため、各国政府は「広範囲におよぶ新たな変革を急速に」進める必要があると報告書は警告している。現状のペースのまま進めば、早ければ2030年にしきい値である1.5°Cに達する可能性があるという。報告書は、二酸化炭素(CO2)排出量を2030年までに2010年比で45%まで削減し、2050年までに「実質ゼロ」にする必要があると指摘している。
40カ国の91人が執筆したこの報告書は、10月6日にIPCCによって承認された。6000件以上の個別の気候調査の分析に基づくこの報告は、各国政府がパリ協定の見直しを話し合う今年12月のポーランドでの世界会議で議論される主要なトピックの1つとなるだろう(2017年6月、米国はパリ協定からの離脱を表明している)。
太陽エネルギーや風力エネルギー、エネルギー貯蔵といったテクノロジーの革新なくして、この野心的なCO2削減目標の達成は困難だろう、と報告書は指摘している。あえてポジティブな点を挙げれば、これらのテクノロジーが次第に実行可能になっていることだ。 ぞっとするような報告書の中で、この点は小さな希望の光となっている。