英国議会、AIの倫理的利用のための5原則を発表
英国議会上院が選出した人工知能(AI)委員会は、AI業界200人以上の専門家による報告書を発表した。委員会はAIの利用が公共の利益になることを期待している。以下にその要旨を紹介する。
報告書はAIを倫理的に利用するため、以下の5原則をまとめている。
1. AIは、公共の利益となり人類に貢献するために開発されなければならない
2.AIは、明瞭性と公平性の原則のもとに使用されなければならない
3.AIは、個人、家族、地域社会のプライバシーやデータの権利を侵害する目的で使用してはならない
4.すべての一般市民は、AIの使用によって精神的、感情的、経済的に繁栄できるように教育を受ける権利がある
5.人類を傷つけ、破滅させ、欺くような自律的能力をAIに付与してはならない
この報告では、ガイドラインが守られているかどうかを監視する専門家の必要性までは言及していない。だが、機械学習を利用する組織をガイドラインに基づいて規制当局に管理させたいと委員会が考えているのは明らかだ。
「膨大な量のデータを管理している大企業が、必要以上に巨大な力を持つことを防ぐ必要があります」と報告書には書かれており、さらに、ユーザーが自分自身のデータを現在よりも詳細に管理できるようにするべきだとも述べられている(フェイスブックが何か言っているって?)。
付け加えておけば、この報告書はAIの将来について関心を抱く人には周知の結論が並べられている。つまり、国家は機械学習技術に投資し、自動化によって職を失う労働者には再教育を受けさせるべきであり、アルゴリズムは偏見を持たないように構築され、AIを使用するすべての人は透明性を保たなければならないと提唱しているのだ。