ウーバーのドライバー報酬、男女間で「時給1.24ドル」の格差
ウーバー(Uber)はオリジナルのアルゴリズムを使って、登録ドライバーたちへの報酬を決定している。だが、女性ドライバーへの支払い額は男性ドライバーよりも少ないことが、このほど明らかになった。
2月6日に発表された、180万人のドライバーを対象とした研究結果によると、女性ドライバーは男性ドライバーよりも1時間あたりで平均1.24ドル、週あたりで平均130ドルも低いことが分かった。女性ドライバーの方が運転時間が短い傾向にあることも理由の1つではある。
スタンフォード大学とウーバーの研究者が記した査読前の論文によると、以下のような男性のウーバー・ドライバーの行動により報酬額に差が出ているとしている。
- 比較的料金の高めの地区を選んで運転することが多い
-
-
- 運転が速い
-
-
-
- 乗客にとって近道になるルートを選んで走る
-
-
-
- より長距離の需要を選ぶ
-
これらはすべてウーバーのドライバー報酬計算に使っている数式の変数であり、それらすべてが男性に有利に働くことが研究から分かった(男性は平均して1時間あたり21.28ドル稼いでいるという研究結果が出ている)。また、女性の方が転職率が高く、経験の長いドライバーほどより多くの報酬を受け取っている傾向がある。
研究には含まれていなかったが、女性が割の良い地区を避けるのは、安全上の懸念があるからだろう。たとえば、特定の地区では夜遅く運転しない、危険な地区には立ち入らない、といったことも一因と見られる。
ジェンダーによる報酬の格差には根深いものがあり、是正は容易ではない。論文の共同執筆者であるスタンフォード大学のレベッカ・ダイヤモンド助教授(経済学)は、たとえば運転スピードを数式から外すといった方法を推奨しようと考えているという。だが、ダイヤモンド助教授も認めるように「乗客もドライバーも、どちらも目的地に少しでも早く到着したい」わけだから、難しいかもしれない。