ウーバーがロンドンでの営業許可取り消し、「なりすまし」も発覚
ロンドン交通局は、乗客の安全性と乗客を危険な状況に陥れた「失敗」により、ウーバー(Uber)の市内での営業許可を更新しないとの裁定を下した。ウーバーは不服申し立て期間のために21日間の猶予を与えられ、期間中は営業を継続できる。
規制を担当するロンドン交通局は、ウーバーのプラットフォームを通じて予約された車のうち1万4000件以上が、保険に未加入のドライバーによる運転だったことを明らかにした。同局によれば、ウーバーはドライバー、保険、安全性の適切なチェックに失敗しており、こうした違反のために乗客を危険に陥れていた。判明した最大の問題点は、ウーバーのシステムの変更時に発生した「なりすまし」だ。未登録のドライバーの写真をアップロードして差し替え、登録とは別人が運転していた。利用者からは自分が予約したドライバーかどうか分からない。重要なのは、規制当局が「同様の事態が将来、再発しないと断言できず、ウーバーは現時点では適切な会社ではないという結論に至りました」と話したことだ。ウーバーは、この決定を覆すために控訴するとみられる。
英国の首都で働く4万5000人のウーバー・ドライバーは、自らの仕事の将来について最終的な決断が下されるのを待つ緊迫した数週間になるだろう。一方、利用者にとっては、必ずしも大打撃にはならない。利用者は、市内で利用できる多くの配車アプリの中からウーバー以外を選んだり、ロンドンの名物タクシー「ブラック・キャブ(Black Cab)」をつかまえればよいのだ。
ロンドン交通局は、2017年に初めてウーバーの市内でのライセンスを剥奪したが、その後、裁判官が15カ月間のサービス提供延長を認めた。その後、2019年9月に2カ月間の試験的な延長を認められた。
ウーバーは2009年のローンチ以来、世界各地の規制当局と争い、そしてしばしば敗北してきた。ウーバーが、アプリを監視する規制当局のおとり捜査をブロックするため、「グレイボール(Greyball)」というソフトウェアを内密に開発していたことが明らかになったことは、ロンドンではとりわけ悪い評判につながった。