ウーバー自動運転車の事故映像を警察が公開、その時何が起きた?
現地警察が3月21日に公開した映像は、ウーバーの自動運転車技術の抱える深刻な問題を提起している。
ウーバーの自律自動車が3月18日夜に歩行者の死亡事故を起こす直前の様子を捉えた映像を、アリゾナ州テンピ市警察が公開した。車内のカメラにより録画されていたドライバーは、数秒間下を向いていた。たぶん携帯電話を見ていたのだろう。 衝撃的なことに、ドライバーは間際で視線を上げて、車の行く手に人が歩いてくる瞬間を目撃した。
Tempe Police Vehicular Crimes Unit is actively investigating
the details of this incident that occurred on March 18th. We will provide updated information regarding the investigation once it is available. pic.twitter.com/2dVP72TziQ— Tempe Police (@TempePolice) March 21, 2018
一体これは何を意味するのだろう? 事故を起こしたドライバーの気を散らせたのは、実際のところ、車の技術によるものである。部分的な自律性は人々のセキュリティに対する感知能力を鈍らせ、危険なほど上の空になってしまう。そのことを、長きにわたり専門家は警告し続けてきた。何かがまずい起こったときに、状況を把握するのにかなりの時間を要するのだ。
ウーバーの自律運転車に搭載されているセンサーが、なぜ、自転車を押して道路を横切っていた歩行者を見落としたかという点は、依然として不明のままだ。現場は暗かったが、車のライダー(LIDAR:レーザーによる画像検出・測距)は歩行者を容易に捉えられたはずである。米国運輸省道路交通安全局と国家運輸安全委員会による調査で、車の問題が判明するかもしれない。
今回の問題の原因を追究することは重要だ。自動運転者の商業化を急ぐ企業が、実験的なシステムの公道試験を実施している。拙速に事を運ぶと、人命を危険にさらす可能性がある。そうなったら、究極的には交通事故の年間負傷者および死亡者数を減らすことに一役買うはずの技術の後退にもつながるだろう。