選挙のセキュリティを基礎から学ぶ、ハーバード大がノウハウ集
ハーバード大学の研究チームは、選挙管理委員会がハッカーからインターネット投票を守るためのノウハウ集を公表した。その内容はハーバード大学公共政策大学院(ハーバード・ケネディスクール)の研究機関、ベルファー科学・国際関係研究所のチームによって作成された。書かれている内容があまりにも基本的なことに驚きを覚える人もいるかもしれない。選挙管理に携わる職員に対する、上位5つの指針を紹介しよう。
1. サイバーセキュリティを真剣に受け止めること
2. クラウド・コンピューティングを利用すること
3. 二要素認証を使用すること
4. 強度の高い、長いパスワードを作ること
5. セキュリティ被害を受けたときの計画を作成しておくこと
もちろん、こうした指針を馬鹿にするのは簡単だ。しかし、原則を外れるいかなる行為も見逃さないことが重要だ。直面している本当の問題は、選挙管理委員会がサイバーセキュリティに対する知識をまだよく持ち合わせていないことだ。MITテクノロジー・レビューでも何回か取り上げたように、小さな地方選挙であれ、国レベルの大きな選挙であれ、サイバーセキュリティに対する認識のなさはまだ頻繁に見られる。選挙のセキュリティを強化するためには、選挙の前の基礎教育と啓発活動から始める必要がある。
この27ページからなるノウハウ集に書かれていることは常識的なことばかりと感じられるかもしれないが、ベルファー科学・国際関係研究所のデボラ・プランケット上級研究員は 「ハッキングによる混乱を鎮めるのに役立つものは、これまでまったくありませんでした」とロイターに説明している。うまくいけば、このノウハウ集が将来の選挙のセキュリティ強化に役立つだろう。
- 参照元: Belfer Center、Reuters