日欧共同の水星探査機「べピ・コロンボ」が打ち上げに成功
宇宙探査機「べピ・コロンボ( BepiColombo)」は、10月19日、太陽に最も近い惑星である水星に向かう7年間の旅に出発する。
べピ・コロンボは、日本と欧州のチームが開発した異なる2機の探査機で構成されており、フランス領ギアナから打ち上げられる予定だ(日本版注:JAXAは10月20日、打ち上げ成功を発表した)。べピ・コロンボは、2015年に4年間の周回を終えた米国航空宇宙局(NASA)の水星探査機「メッセンジャー(Messenger)」が収集した情報を基に探査を進める。
水星は地球から比較的近い距離にあるが、べピ・コロンボが水星に辿り着くまでには7年を要する。水星の軌道に乗るために、減速しながら近づいていくからだ。今回のミッションでは、まっすぐ水星に向かうのではなく、地球と金星のそばを飛行してから水星に向かう(べピ・コロンボが進む予定のコースはこちらを参照)。
水星に到着すると、2機の探査機は切り離される。日本が開発した水星磁気圏探査機「みお(MMO:Mercury Magnetospheric Orbiter)」は、水星の不可解な磁場と、それが太陽風とどのように影響し合っているのかを分析する。一方、欧州が開発した水星表面探査機「MPO(Mercury Planetary Orbiter )」は、水星の表面に的を絞り、地形や表面組成、地殻下の地層を分析する。
水星の特徴の多くは、地球の近くにある他の惑星とは異なっている。水星は驚くほど高密度で、以前の探査任務では予想外の強い磁場も観測されている。適切なデータが入手できれば、水星がこのような特徴を持つ理由を科学者が解明するのに役立ち、ひいては私たちの太陽系がどのように形成されたかを理解する手助けにもなるだろう。