トランプ大統領の徹底したアマゾン叩き、その理由は?
アマゾンの成功を抑え込む措置は、ワシントン・ポスト紙に対する大統領の嫌悪感に起因すると伝えられており、すでに問題を抱えるハイテク経済の弱体化を加速する可能性がある。
ドナルド・トランプ大統領が「アマゾンに執拗に付きまとい、同社を追い込もうとしている」との情報が、先週アクシオス(Axios)によって報じられた。そのニュースを受けてアマゾンの株価は8%下落した。
ヴァニティ・フェア(Vanity Fair) の今週の報道によると、トランプ大統領は、「アマゾンを弱体化させるために、ジェフ・ベゾスCEO(最高経営責任者)に敵対する施策を、複数分野において検討している」という。これには、ペンタゴン(米国防総省)のアマゾンとのクラウド契約取り消しの推進や、米国郵政公社によるオンライン小売業者の送料値上げなどが含まれる。このニュースでアマゾンの株価は5%下落した。
なぜこうしたことが起こっているのだろうか? アクシオスの伝えるところによると、トランプ大統領は、アマゾンが米国経済に悪影響を与えていると懸念しているという。 しかし、ヴァニティ・フェアの情報源によると、実はトランプ大統領は、ワシントン・ポスト紙のオーナーであるベゾスCEOを罰するためにアマゾンを攻撃したいのだという。トランプ大統領はワシントン・ポスト紙を嫌悪しており、ベゾスCEOが同紙を「政治的武器」として利用していると主張している。つまり、これからアマゾンを罰する行為は権力の乱用となる可能性がある。
自律自動車による死亡事故、 フェイスブックのデータ・スキャンダル、中国との切迫した貿易戦争といった悪いニュースを受けて、テック業界はすでに痛めつけられている。ウォール・ストリート・ジャーナル紙によると、アマゾンのような大企業の損失は、他企業や他の産業分野にさえも波及していると言われる。ジェフ・ベゾスCEOに対する徹底した攻撃は、すでに苦境に陥っている米国のハイテク経済にダメージを与える可能性がある。