米国、中国のハイテク製品へも制裁関税 トランプ大統領に「焦り」
中国の技術の進歩を遅らせようとするトランプ大統領の試みは、貿易戦争へとエスカレートし、結局は米国企業に損失を与えかねない様相を呈している。
トランプ大統領は3月、中国からの輸入製品の一部に対して25%課税することを宣言した。トランプ政権は、米国から盗用した知的財産が中国のテクノロジー分野の隆盛を支えていると主張しており、中国に対する課税強化はその制裁が目的だ。
米国通商代表部は、課税対象となる500億ドル相当の中国製品のリストを公表した。その中には、半導体、ロボット、家庭用電気機器部品、原子炉、車両、医薬品などが含まれている。
中国は、今回の措置は世界貿易機関(WTO)の価値観に対する「重大な違反行為」であると述べている。中国は米国から中国への輸入品に対して新たな関税をすでに課している。化学製品、航空機、自動車を含む106品目、500億ドル相当に上るものだ。
今回の関税措置は、トランプ大統領が中国の技術大国としての台頭を本気で遅らせたいという姿勢の表れである。しかし、この動きは、かつてないほどに、貿易戦争を引き起こす可能性をはらんでいる。トランプ大統領の勝利に対する自信とは裏腹に、米国テック企業にダメージを与えかねない。また、ブルームバーグ・ギャドフライ(Bloomberg Gadfly)が、より広い観点から以下のように指摘している。この関税措置は、米国の製造業企業が「法人税減税で得たばかりの年間260億ドルの半分を返上するようなものだ」。