100万人の遺伝子データを収集、米国立衛生研究所の計画が始動
米国立衛生研究所(NIH:National Institutes of Health)は5月1日、大規模な研究調査の実施を発表した。あらゆる背景を持つ人々が、適確医療(precision medicine)を受けられるようにするのが目的だ。
オバマ大統領が最初にこの計画を発表したのは2015年にさかのぼる。適確医療という夢を実現するための計画だ。適格医療とは個々人の遺伝的特徴、生活スタイル、取り巻く環境にきめ細かく対応した医療サービスのことである。ベータ試験を開始してから1年が経過し、これまでおよそ2万5000人が参加している。
記者会見の場でNIHの当局者たちは、多様かつこれまで軽視されてきたような集団からも、健康や遺伝子データに重点を置いて収集すると語った。障害者、中卒以下の学歴の人たち、収入が貧困レベルにも満たない人々はもとより、少数民族や性的少数者も対象となる。NIHは全米中の多様なコミュニティでイベントを開催し、参加者を募っている。
「オール・オブ・アス(All of Us)」と名付けたこの計画は、参加者のゲノム解析を年内に開始する。目標は参加者100万人に健康情報を提供してもらうことだ。健康調査や電子健康記録(EHR)などの手法を用いて、10年以上にわたる研究計画になる。