中国の人工衛星が撮影した「月の裏側から見た地球」
この写真は、地球上からは決して見ることのできない、月の裏側の姿を捉えた写真だ。その証拠に、地球が月の後ろに見えている。
月の裏側の写真は、中国の月探査衛星「竜江2号(りゅうこう:Longjiang-2、DSLWP-B)」が2月3日に撮影し、オランダのデュインゲロー電波天文台によってダウンロードされたものだ。2018年6月から月周回軌道に乗っている竜江2号が、無線送受信停止期間が終わった後にこの写真を撮影した。
無線送受信停止期間は、中国の嫦娥4号(じょうが:Chang’e-4)の月の裏側への着陸を妨げないための、やむを得ないものだった。原画像は紫色がかっていたが、上の画像は研究者が色を補正したものだ。
中国の月探査計画は、2004年に開始された。それ以来、中国国家航天局(CNSA)は、嫦娥1号と嫦娥2号という2つの無人月周回探査衛星を打ち上げた。また、月探査機である嫦娥3号、嫦娥4号も同様に打ち上げた。
嫦娥3号の探査車は、1976年のソ連のサンプル・リターン・ミッション(地球へ鉱物などのサンプルを送り返す計画)以来初となる月面着陸に成功したものの、遠くまで移動できなかった。2太陰日(地球時間で約1カ月)後、探査車は移動能力を失った。一方、嫦娥4号は、2019年1月に月面への着陸に成功している。