ゴミ袋を振り回すロボット・カウボーイ、食肉処理場で人間を守る
米ネブラスカ州にある牛の食肉処理施設では、牛を集めて追い込む作業にロボットを導入し、従業員の安全を確保している。
牛は体が大きく、体重は約700~800キログラムにもなる。この牛を1日に数千頭も移動させるということは、かなりの重さの物体があちこちを動き回っていることになる。牛に接近して作業する従業員たちは、絶えず牛に蹴られたり、踏みつけられたりする危険に晒されている。
ネブラスカ州のカーギル食肉処理施設では、従業員を危険から守るためにロボットを導入し始めた。このロボットは、輝かしい未来を象徴するような代物ではない。フロック・フリー(Flock Free)が製造した重さ約200キログラムのロボットは、施設の上部から牛の動きを監視している従業員が操作している。ロボットは、長い棒の先に着いたゴミ袋を激しく振り回しながら、牛の後をついて回って追い込む。
ロボットは、原子力施設の事故現場における作業や人命の救出、捜索といった危険な作業を伴う現場において魅力的な手段となっている。仮にこれらの仕事をロボットが乗っ取ったとしても、人間は何も気に留めないだろう。牛追いにしても、車輪が付いたうるさいゴミ袋よりも、もっと良い長期的な解決策もあるかもしれない。しかし今のところは、従業員をストレスが溜まった牛から遠ざけ、彼らの安全を確保する役割を果たしている。施設を管理するブラッド・チャーチルは、「ロボットが牛に轢かれても構いません。また作り直して、修理することができますから。新しいものを買うことだってできます」と述べる。「しかし、当社の従業員の安全は、私にとって最重要事項なのです」。