太陽系外から接近中の新たな恒星間天体を初撮影
天文学者チームが、太陽系を通過する2番目の恒星間天体の最初の画像を公開した。これはほぼ間違いなく彗星だ。
彗星の名前は「C/2019 Q4(ボリソフ、Borisov)」。最初にこの天体を発見したアマチュアの天文学者に敬意を表して暫定的に名付けられた。その後の観測によって明らかになったことがいくつかある。まず、長い尾を持っており、これはほぼ間違いなく彗星であることを示している。次に、太陽を焦点とする双曲線軌道を持っており、つまり太陽の周回軌道に乗るには速すぎる速度で移動している。太陽の周りを回るには速すぎるということは、C/2019は太陽系外から飛来した可能性が極めて高い。
ハワイのジェミニ天文台の天文学者チームは、カナリア諸島(スペイン領)のウィリアム・ハーシェル望遠鏡を利用する天文学者チームと協力して、9月10日、視界の良かったほんのわずかな時間帯に、C/2019を多色撮影した。この新たな画像は、C/2019の放出ガス物質でできる長い尾と、かすみがかったコマを示している。これらは彗星である決定的な特徴の2つだ。画像に写り込んでいるぼやけた赤と青の線は、彗星の背景にある星々である。
「恒星間彗星の初の事例であることは間違いありません」と天文学者らは記している。C/2019は、太陽系の外から我々の元へ訪れた、天体観測史上まさに2番目の天体となる(観測史上初の恒星間天体は悪名高くも棒状の姿をした「オウムアムア(‘Oumuamua)」)。
「オウムアムア」の時とは対照的に、C/2019については調査の計画を練り、太陽系内での動きをさらに調べるのに十分な時間がある。C/2019は12月10日頃に最も地球に近づく予定だ。