世界最大の海運会社がブロックチェーンによる輸送管理を計画中
数百万個もの輸送コンテナを追跡・管理するのは大変な仕事だ。世界最大の海運会社であるA.P.モラー・マースクとIBMは、輸送プロセスの効率化と数十億ドルの経費削減効果を見込んだブロックチェーンの開発に取り組んでいる。
国際輸送には多数の事業者が関わり、何百件もの業務連絡が交わされる。マースクによれば、貨物の流れを把握しておくための経費は、コンテナ輸送コストの20%を占めることもあるという。また、2017年に発生した同社に対するサイバー攻撃によって、ハッキングに対する現行システムの脆弱性が明らかになった。
マースクとIBMの言い分はこうだ。ブロックチェーンに基づくプラットフォームを利用することで、誰がいつ貨物を取り扱ったか、確実で信頼のおける記録を得られる。これによってすべての情報をより効率的に管理できるようになるというわけだ。
だが課題はある。テクノロジーがうまくいったとしても、全ての関係事業者が参加しない限り、計画は成功しないだろう。マースクがロイター通信に語ったところによると、米国、シンガポール、オランダ、中国広東省の関税局と港湾局のほか、「いくつかの海運会社」がこの計画に興味を示しているという。実現までの道のりは遠そうだ。
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- 参照元: Reuters