KADOKAWA Technology Review
×
2024年を代表する若きイノベーターたちに会える!【11/20】は東京・日本橋のIU35 Japan Summitへ

ニューズラインエマージング・テクノロジーの最新情報をお届け。

世界最大の海運会社がブロックチェーンによる輸送管理を計画中
Bernard Spragg. NZ | Flickr
The World’s Biggest Shipping Firm Plans to Track the Planet’s Containers On a Blockchain

世界最大の海運会社がブロックチェーンによる輸送管理を計画中

数百万個もの輸送コンテナを追跡・管理するのは大変な仕事だ。世界最大の海運会社であるA.P.モラー・マースクとIBMは、輸送プロセスの効率化と数十億ドルの経費削減効果を見込んだブロックチェーンの開発に取り組んでいる。

国際輸送には多数の事業者が関わり、何百件もの業務連絡が交わされる。マースクによれば、貨物の流れを把握しておくための経費は、コンテナ輸送コストの20%を占めることもあるという。また、2017年に発生した同社に対するサイバー攻撃によって、ハッキングに対する現行システムの脆弱性が明らかになった。

マースクとIBMの言い分はこうだ。ブロックチェーンに基づくプラットフォームを利用することで、誰がいつ貨物を取り扱ったか、確実で信頼のおける記録を得られる。これによってすべての情報をより効率的に管理できるようになるというわけだ。

だが課題はある。テクノロジーがうまくいったとしても、全ての関係事業者が参加しない限り、計画は成功しないだろう。マースクがロイター通信に語ったところによると、米国、シンガポール、オランダ、中国広東省の関税局と港湾局のほか、「いくつかの海運会社」がこの計画に興味を示しているという。実現までの道のりは遠そうだ。


【お知らせ】海外の事例動向からブロックチェーン活用の可能性がわかるeムックを公開中。詳しくはこちらから。

マイク オルカット [Mike Orcutt] 2018.01.17, 11:58
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。2024年受賞者決定!授賞式を11/20に開催します。チケット販売中。 世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を随時発信中。

特集ページへ
MITテクノロジーレビューは有料会員制サイトです
有料会員になると、毎月150本以上更新されるオリジナル記事が読み放題!
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る