世界銀行、ブロックチェーン債券を発行へ
世界銀行は、ブロックチェーンを使って「創造され、振り当てられ、譲渡され、管理される初の世界規模の債券」を管理するため、オーストラリア最大級の銀行であるオーストラリア・コモンウェルス銀行と契約を結んだと発表した。ブロックチェーン・テクノロジーが主流になりつつあることを示す、今までで最も明確な徴候のひとつだ。
世界銀行は、新興経済国の持続可能な発展を支援するため、毎年500億ドルから600億ドルの債券を発行している。ブロックチェーン・テクノロジーは、債券の発行に必要な仲介者の数を減らすことで、このプロセスをより効率的なものにすると世界銀行は考えている。世界銀行はブロックチェーン上の新たな債券である「ボンダイ(bond-i:blockchain operated new debt instrument:ブロックチェーンで操作される新しい債券)」(有名なオーストラリアのビーチにあやかって名づけられたことは明らかだ)をいつ発行するのか明らかにしていない。プレスリリースによれば、投資家たちの関心は「高いものであり続けている」という。
ボンダイ債券が、技術や流通の観点から、実際にどのように機能するのかについての詳細はまだあまり明らかにされていない。しかし、誰でも採掘に参加できるビットコインとは異なり、世界銀行は、新しいトランザクション(取引)を承認するプロセスに、バリデーター(妥当性を確認する人)になるために許可が必要なイーサリアムのプライベート版を使う予定だ。コンピューティングのインフラは、マイクロソフトのアジュール(Azure)のクラウド・プラットフォーム上で動作させるつもりである。
債券の管理にブロックチェーンを用いるという考えは、新たなトレンドになりつつある。昨年には、英国の企業がイーサリアムのパブリック・ブロックチェーンを使った債券を発行した。カリフォルニア州バークレー市自治体は、自治体公債の発行にブロックチェーン・テクノロジーを利用することを検討している。世界銀行がブロックチェーンを採用するのは、これまでで最も関心を引く事例である。