大手テック企業の権力へ高まる批判、米FTCが対策へ
規制当局が国民からの意見聴取に動き出した。グーグルやフェイスブック、その他大手テック企業への対応があまりにも生ぬるいとして、厳しい批判を受けているからだ。
消費者保護を担う米国連邦取引委員会(FTC)が、デジタル時代の課題に取り組むために必要なアイデアを募ろうと、公聴会の開催を発表した。議題リストの上位にあるのは、インターネット大手が保有する強大な力への対処法だ。
今回の見直しは、多数の新委員を揃えたFTCで新委員長を務める、共和党員のジョー・サイモンズが踏み切った。5月にFTCに加わったサイモンズ委員長は、以前のFTCに比べ、より厳格な委員会を率いることになるだろう。以前の委員会は、8700万人分のフェイスブックの個人情報が、本人の同意あるいは自覚がないままに流用されていたケンブリッジ・アナリティカ(Cambridge Analytica)事件を含む不祥事への対応が遅かったことで批判を受けていた。
大手テック企業への不正の監視に関しては、欧州が先行している。欧州連合は2017年に、独占禁止法違反でグーグルに24億ユーロ(27億ドル)の制裁金を払うよう命じている。欧州連合が施行した新しいプライバシー保護規則では、企業による個人情報の取り扱いに関して厳しい制限が課されている。米国にも、テック企業へのより厳格な取り締まりと個人情報保護規則が必要とされる。より断固とした施策を提唱する人々は、すでにFTCに対し、2013年にFTCが棚上げしたグーグルへの独占禁止法の調査を再開するよう訴えている。また、ケンブリッジ・アナリティカが関わったデータ不正取得事件で、フェイスブックを処罰するよう求めている。国民の声を聴くための新たな公聴会は、FTCの活動に大きな影響を及ぼすことになるだろう。願わくばこの公聴ツアーが、大手テック企業に責任を課すことをFTCが遅らせる、言い訳にならないことを祈る。