米国防総省が軍事用AI研究に20億ドル投資へ
米国防高等研究計画局(DARPA)は今後5年間で、軍事用人工知能(AI)プロジェクトに20億ドル超を投入する。
AI研究の世界では今、非常に大きな変化が起こっている。たとえば今年に入り、中国がAI研究に焦点を当てた北京の研究都市に同規模の資金を投じると発表して話題となった。だが米国防総省は、中国とは違うスケールで動いている。20億ドルでは、ぴかぴかの新型ジェット戦闘機F-35を20機購入することもできないからだ。
9月7日に発表された計画は、機械と人間のより良い協力関係の構築のためと謳われている。DARPAは今回の計画では、セキュリティ・クリアランス(秘密情報を取り扱う職員に与えられる資格)の審査やAIシステムの信頼性向上、説明能力のあるAIの研究などを重視すると述べた。特筆すべきは、プレスリリースの中では、自律兵器について一言も言及されなかったことだ。
今回の研究資金の提供計画は、軍事目的のAI開発に対してシリコンバレーが厳しい抵抗を示した後に発表された(「グーグル、軍用AIの契約を更新せず」を参照)。一部研究者らは今回の計画発表について、グーグルがいなくても何ら問題はないとDARPAが事実上、言っているようなものだと語る。引き受けたがっている企業がほかに見つかるからだ。
- 参照元: Washington Post