KADOKAWA Technology Review
×

ニューズラインエマージング・テクノロジーの最新情報をお届け。

ニューヨーク・タイムズ、デマ撲滅にブロックチェーン活用へ
samchills | Fickr
The New York Times thinks a blockchain could help stamp out fake news

ニューヨーク・タイムズ、デマ撲滅にブロックチェーン活用へ

ブロックチェーン・テクノロジーは、ニューヨーク・タイムズ紙が立ち上げた新しい研究プロジェクトの中核となるテクノロジーだ。プロジェクトの目的は「読者に対して、報道コンテンツの出所をより明確にする」ことにある。

ニューヨーク・タイムズ紙は、ニュース・メディアにおけるデマを防ぐ試みとして「ニュース・プロビナンス・プロジェクト(News Provenence Project)」と呼ぶプロジェクトを開始した。まずは、IBMが開発したブロックチェーンのプラットフォームを使い、写真が本物であることを証明する。

この発表について噂と憶測が飛び交ったのは3月のことだ。「報道機関向けのブロックチェーン・ベースの概念実証」に貢献できる人物をニューヨーク・タイムズ紙が求めている、とコインデスク(CoinDesk)が報じた後のことだった。コインデスクの報道後、ニューヨーク・タイムズ紙はいったん(求人に関する)ブログ投稿を削除したが、明らかに本気だったようだ。新たに投稿されたブログ記事の中で、プロジェクトのサーシャ・コーレン責任者は、ブロックチェーンを利用することで「写真の出所を明らかにし、その写真が公開後に編集されたかどうかを判断する方法を読者に提供します」と説明している。

報道コンテンツの真偽の証明のためにブロックチェーンを使うことは、ブロックチェーン・テクノロジーの可能性を試す応用例だと長らく考えられていた。しかし、これまでのところ、その試みには勢いがない。ニューヨーク・タイムズ紙が魅力的な応用例を開発できれば、現状を変える影響を及ぼすだろう。

マイク オルカット [Mike Orcutt] 2019.07.28, 11:55
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。2024年受賞者決定!授賞式を11/20に開催します。チケット販売中。 世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を随時発信中。

特集ページへ
MITテクノロジーレビューは有料会員制サイトです
有料会員になると、毎月150本以上更新されるオリジナル記事が読み放題!
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る