NASA、民間開発の「居心地の良い」モジュールをISSに設置へ
米国航空宇宙局(NASA)は、2024年後半に国際宇宙ステーション(ISS)に接続する予定の居住モジュールの建設および配備を、ヒューストンを拠点とするアクシオム・スペース(Axiom Space)に発注した。
NASAは国際宇宙ステーションの商用利用の開放を進めており、昨年ついに民間企業からの入札の受け入れを開始した。国際宇宙ステーションのリソースや無重量状態を利用して新しい技術をテストしたり、さまざまな実験をしたり、ちょっとした宇宙旅行を求める観光客向けに観光地を提供したりしたい企業が対象だ。アクシオムは、この新たな契約の一環として、新型の居住モジュールを少なくとも5年間(その後2年間の延長オプションあり)、宇宙ステーションのノード2のドッキングポートに接続する。
NASAおよびアクシオムは、その居住モジュールに関してあまり多くの情報を公開していない。しかし、同社の「アクシオム・ステーション」のコンセプト、つまり地球低軌道での居住用に設計された民間が所有するプラットフォームをモデルとしたものになることは確実だろう。
アクシオム・ステーションの居住モジュールは、フランスのデザイナーであるフィリップ・スタークが 「快適で居心地良い卵」というコンセプトで設計したものだ。クッションが効いた内装と、数百個の小さなLED電球が最適な照明と色を提供してくれるのが特徴だ。アクシオムの発表によると、国際宇宙ステーション側の区域には、乗組員の居住空間、研究・製造スペース、および地球を眺めるための大きな窓があるという。
実験用のモジュールが国際宇宙ステーションにドッキングされるのは、これが初めてではない。ビゲロー・エアロスペース(Bigelow Aerospace)が開発した膨張式モジュール「ビーム(BEAM)」が2016年以降、国際宇宙ステーションにドッキングされている。