オピオイドの離脱症状を緩和する機器をFDAが承認
麻薬性鎮痛薬(オピオイド)の依存症に苦しむ人々はまもなく、公式な救いの手を差し伸べられるかもしれない。米食品医薬品局(FDA)の発表によると、脳に直接働きかける「ニューロ・スティム・システム・ブリッジ(Neuro-Stim System Bridge)」が600ドルから800ドルの価格で、脱オピオイドの治療用にすぐにでも販売されることになったからだ。
ニューロ・スティム・システム・ブリッジは一見したところ、耳の後ろの肌につける単純な装置だ。チップを用いて、痛みの情報を処理する脳の部位を刺激することで、オピオイドを止めたことによる離脱症状を緩和する。診療所では過去に離脱治療のために使用されていたこともあるが、FDAは急性あるいは慢性の疼痛の治療用に承認しているだけで、オピオイドの離脱に関連する症状には認められていなかった。
医療関連メディアであるスタットが指摘しているように、離脱治療に対するこの装置の有効性を支持する証拠は限られている。FDAは、73人の患者に対する一件の研究を引用しているだけだ。しかしこの一連の実験では、装置を5日間使用したところ、88%の人々がオピオイドからの離脱に成功したという。とにかくその装置は、依存という圧倒的悲劇に対抗するための初めの一歩となったのである。
今後、より多くの解決策が出てくる可能性はある。 今回報告したような装置は、麻薬性のある薬品を根絶するための有望なアプローチの1つに過ぎず、その間に、より良い鎮痛剤の探求もまた続けられているのだ。