矮小銀河のブラックホール、予想よりもずっと軽いことが判明
天文学者は、矮小銀河NGC 4395の中心にあるブラックホールの質量が、これまでの研究者の予測のわずか40分の1しかないことを発見した。
地球から約1400万光年のかなたにあるこのブラックホールは、太陽の質量のおよそ1万倍にすぎない。標準的なブラックホールと比べるとかなり小さく、これまでのいくつかの想定よりも1桁以上小さい。
ネイチャー ・アストロノミーで6月10に発表された論文によると、研究チームは、反響マッピングと呼ばれる手法を使用して測定した。反響マッピングでは、ブラックホールによって引き寄せられた、降着円盤とも呼ばれる物質が放出した放射線を観測する。この放射線は、放出されると外側に進み続け、ガス状のエリアに到達するとフラッシュを放つ。放射線がそのエリアに達した時刻と、フラッシュが観測された時刻の差から、研究者はブラックホールの規模を推定する。
天文学者は、銀河の形成時にどのようなことが発生したかを詳細に把握するために、小規模な銀河を測定しようとしている。論文の共著者の1人であるミシガン大学のエレナ・ガロ准教授は、「これらの銀河にブラックホールがあるか? ある場合は、超大質量ブラックホールと同じようにスケールするのか? その答えは、宇宙の初期段階にこれらの巨大ブラックホールが構築されたメカニズムを理解する上で有用な可能性があります」と述べている。