テスラ、AI専用チップを自前で開発中——マスクCEOが認める
今年最大の人工知能(AI)関連会議「神経情報処理システム(NIPS)」会場の周辺で開催されたあるパーティで、テスラのイーロン・マスクCEO(最高経営責任者)は、AIハードウェア自社開発の野望についての噂に終止符を打った。
パーティに招待された人々によると、マスクCEOは「テスラはハードウェア、ソフトウェアの両面でAIに真剣に取り組んでいることをはっきりさせておきます。AIに特化したハードウェア・チップを開発しているのです」と説明したという。マスクCEOは、AMDとアップルで半導体チップの開発に関わり、昨年テスラに迎えられたジム・ケラーとともにステージに上がった。テスラのアンドレイ・カルパシーAI担当部門長と、ベンチャー・キャピタル企業ブルームバーグ・ベータ(Bloomberg Beta)のパートナー、シヴォン・ジリスも一緒だ。
噂の的になっていたのは、テスラが自社の機械学習チップを作る可能性があるのかどうかだ。というのは、MITテクノロジーレビューが昨年報じたように、テスラの「オートパイロット」技術にからむ事故の後、テスラが元々AIハードウェアの供給を受けていたイスラエル企業のモービルアイ(MobilEye)と袂を分かったからである。しかし今、機械学習チップ自社開発の噂が本当であることがわかった。
今回のパーティは、テスラがNIPSの開催期間中に技術者をヘッドハンティングするために催されたものでもあった。マスクCEOは、AIハードウェアの話だけでなく、自動運転、汎用人工知能、脳コンピューター・インターフェイスなどについても語った。
マスクCEOはいくつかの大胆な予想をした。1つは、AIの最大の課題である汎用人工知能は、ここ5年から10年で実現するだろうというものだ。ここ数年に実現された学問的進歩を考えに入れても、この分野に携わっている人でこの主張を真に受ける人がいるとは考えにくい。マスクCEOはまた、自律運転車の実現時期についても彼らしい大胆な発言をしたという。
マスクCEOのこうした発言を受けて、予想通り、技術に精通しているパーティ招待客の中には、ツイッター上で眉をひそめている人もいた。
- 参照元: The Register