携帯電話の位置情報追跡には令状が必要、米最高裁判所が初判断
今回はプライバシーの勝利だ。しかし、どれほどの勝利になるのかはまだ明らかではない。
合衆国最高裁判所が6月22日に5対4で言い渡した判決によると、司法当局の職員が携帯電話の位置情報を調べる際には捜索令状が必要となる。この判決はある事件に端を発している。デトロイト地域にあるラジオ・シャック(Radio Shack=家電量販店)とTモバイルの店舗に凶器を所持して強盗に入った容疑の男性の位置情報が、捜査の際に収集されたという事件である(容疑者は最終的に有罪判決を受けた)。
携帯電話の位置情報は、基地局に電話を接続するたびに収集され、無線サービスのプロバイダーによって保存される。基地局のネットワークを密集させるほど、位置情報の精度は高くなる。たとえば、都市などのトラフィックが多い地域では多くの基地局を目にするだろう。
こうして収集された位置情報は、さまざまなものに活用される。無線通信事業者は、1日のある時間帯のある場所でトラフィックがどれほど集中しているかを特定するのに使用したり、位置情報を集約してマーケティングや他の目的に活用する企業に販売したりできる。ある人物の居場所を追跡することも可能だ(銀行強盗が発生した時間の前後に、その銀行の近くにいたかどうかなど)。
ジョン・G・ロバート・ジュニア裁判長は、今回の判決は「限定されたもの」であり、国家安全保障に関連した緊急事態や状況における位置情報の利用には影響しないと意見の中で書いている。興味深いのは、裁判の専門家らがすでに指摘したように、ロバート裁判長が携帯電話の位置情報による完璧に近い形での監視は不可避だと考えており、そうした将来に対してすでに計画を立てているように見えることだ。
- 参照元: The New York Times