スペースXのエンジン試験でトラブル、米有人飛行計画に影響か
スペースXの無人宇宙船の試験失敗が意味することは、おそらく宇宙飛行士はしばらくの間、米国本土から宇宙へ向かうことはないということだ。
スペースXの宇宙船「クルー・ドラゴン」の「スーパー・ドラコ・エンジン(Super Draco Engines)」の地上燃焼試験で起きた「異常」によって、フロリダ州ケープカナベラルの地上施設で大量の煙が発生した。このカプセルは、国際宇宙ステーションへ向けて3月に打ち上げられ、成功した「デモ1(DM-1)」に使われたものだった。
詳細はまだ分かっていない。流出した未確認の試験映像には、上部から出火したと思われる炎に包まれたカプセルが映っている。映像が正しければ、カプセルはおそらく焼失しただろう。
スペースXはこれまでにもいくつもの失敗を乗り越え、すぐに立ち直ってきた。だが、人命がかかっている以上、不具合の修復には時間がかかり、計画はかなり遅れるはずだ。ボーイングも最近、有人宇宙船の試験を延期しており、米国本土からの有人宇宙船の打ち上げは2020年を待つことになった。「だからこそ、私たちはテストをするのです。学習し、必要な調整をし、商業乗員輸送プログラムを安全に進めていきます」。米国航空宇宙局(NASA)のジム・ブライデンスタイン長官はツイッターでこう述べている。