スペースXの「クルー・ドラゴン」、ISSとのドッキングに成功
スペースXの「クルー・ドラゴン」のカプセルは国際宇宙ステーション(ISS)への自律的なドッキングに成功した。これにより、スペースXが今年、米国人飛行士をISSへ送り込む計画を進める重要な試験の1つに合格した。
米国東部標準時間3月2日午前2時49分にクルー・ドラゴンはフロリダから打ち上げられ、3日午前5時51分にISSと接触した。完全かつ安全なドッキングが確認できたのは、その数分後だ。カプセルは船内に載せたコンピューターやセンサーを使い、全プロセスを自律的に完了した。カナダのデイビット・セイント・ジャックス宇宙飛行士と米国のアン・マクレーン宇宙飛行士がISSから状況を見守ったが、2人にはカプセルに対しドッキングの続行、中断、そして中止の選択肢が与えられていた。ドッキングに成功すると、マクレーンとセイント・ジャックスの両宇宙飛行士はカプセルに入り、試験の一環として一緒に打ち上げられていた、センサー搭載のリプリーという名の人形や、地球の形をしたぬいぐるみと共に映像を地球に送った。映像はこちらで視聴できる。
ツイッターではNASAのジム・ブライデンスタイン長官が、成功裏に終わった打ち上げとドッキングを称賛した。「スペースXのクルー・ドラゴンがISSに到着したことは、宇宙飛行の新時代の幕開けです。この歴史的偉業に対し、すべての方々にお祝いの言葉を送ります。今回の成功で、米国製の宇宙船に米国人飛行士を乗せて打ち上げるという目標にも一歩近づきました」。
クルー・ドラゴンは3月8日金曜日に地球に帰還し、フロリダ沖に着水する予定だ。今回のミッションで得られたデータは、宇宙飛行士人形の状態から実際に人間を乗せて打ち上げられるかどうかの判断や、システムの最終調整に役立てられる。
ブライデンスタイン長官のツイートがほのめかしているとおり、2011年にシャトル計画が終了して以来、米国航空宇宙局(NASA)は米国本土から宇宙飛行士を宇宙に送っておらず、ロシアのロケットに依存せざるを得ない状況だ。今回の試験は、フロリダから米国人宇宙飛行士を宇宙へと送り出す取り組みを再開する準備の一環である。目標は、7月にスペースXによる最初の有人宇宙飛行でISSを目指すことだが、遅れが生じる可能性もある。