スペースX、世界最大規模の商用コンステレーション運用者に
スペースXは1月6日、60基のスターリンク(Starlink)衛星の軌道打ち上げに成功した。スペースXの180基の人工衛星(および2年前に打ち上げた2基のプロトタイプ)が地球を周回する今、スペースXは世界最大規模の商用コンステレーション(人工衛星群)運用者となった。
「ファルコン9(Falcon 9)」ロケットは60基のスターリンク衛星を高度約290キロメートルの軌道に乗せた。これらのスターリンク衛星は最終的に高度約550キロメートルの軌道に移動する。スペースXは第一段ブースターを大西洋上のドローン船に着陸させた(同機の4回目の飛行および着陸となった)が、ペイロード・フェアリング(積載物を保護するロケット先端部分)の半分を回収する挑戦には失敗した(損失額は約300万ドル)。
スペースXのコンステレーションは、プラネット(Planet)の150基で構成するリモートセンシング衛星群よりも規模の面で優位に立つが、この成果は「純粋な勝利」とは言えない。スペースXは昨年、同社のスターリンク衛星群が夜空の天体観測に影響を及ぼすとして大きな批判を受けた。今回打ち上げられた60基のうちの1基でこの問題を改善する可能性がある新たな暗色の塗装をテストするが、うまくいくかどうかはまだ分からない。
さらに、増え続けるスターリンク衛星のうち少なくとも3基からの交信が途絶え、1基が欧州宇宙機関(ESA)の気象衛星とニアミスするなど、宇宙の混雑に対する懸念も引き起こしている。
スペースXはコンステレーションの規模を人工衛星1万2000基に拡大する予定で、最大4万2000基まで拡大する可能性もある。同社は今後、2週間ごとに60基のスターリンク衛星の打ち上げを目指している。