スペースX「ブロック5」の打ち上げ・着陸に成功、有人飛行へ前進
ロケット開発を手がけるスペースX(SpaceX)が、打ち上げたロケットをすべて着陸させ、再使用しようとしている。
スペースXは2基目となる「ファルコン9・ブロック5(Falcon 9 Block 5)」ロケットを先週末、フロリダ州ケープカナベラルで打ち上げ、着陸させた。再使用を念頭に設計されたロケットの着陸成功は、同社にとって100%リサイクル可能な新しいロケットの時代の始まりを告げるものだ。
今回のファルコン9には「テルスター19ヴァンテージ(Telstar 19 Vantage)」衛星が搭載されており、カナダの衛星通信事業者に代わってスペースXが衛星を軌道に乗せた。
スペースXが以前開発したロケット「ブロック4(Block4)」は、数回のみの再使用を前提に設計されていた。「ブロック5(Block5)」は、正常な回収に成功すれば数百回は使えるという。再使用可能性が高いモデルに完全移行したいま、ロケットの回収がロケットの打ち上げにおいて一層重要な課題となるだろう。スペースXは2週間の間に5基の回収を計画している。
ブロック5は現在、機体にヘリウムタンクを追加する改造が進められている。スペースXはこの改造版を使い、国際宇宙ステーションに人を送り込む予定だ。改造が完了すれば7回の試験飛行を経て、宇宙飛行士が乗り込むことになる。スペースXが有人飛行に向けて大きく前進する一方、ライバルのボーイングでは計画が停滞中だ。