ブロックチェーン技術が大統領選挙に初採用、その実態は…?
西アフリカのシエラレオネ共和国は先週、部分的にとは言え、ブロックチェーン技術を大統領選挙に導入した最初の国になった。だがいくつかのトップニュースの見出しとは裏腹に、ブロックチェーンを使って投票がされたわけではない。ある意味、ブロックチェーンによって投票が検証されたに過ぎない。
コインデスク(CoinDesk)によれば、独自のブロックチェーン技術を使った投票システムを手がけるスイス企業アゴラ(Agora)は、集計された投票数と比較するために、他とは独立した形で投票数を提供する「公認オブザーバー」の1つだった。しかも、このシステムが投票を追跡したのは、シエラレオネで最も人口の多い地区に限られていた。それでも今回の事実は、アゴラにとって実に良い宣伝になった。同社はアフリカやヨーロッパの他の国でも、このソフトウェアの販売を促進しているからだ。
ブロックチェーン技術の選挙への適用は、大きな可能性を秘めている。不正の余地のない監査証跡が得られるからだ。シエラレオネでの試験は少なくとも、正しい方向への第一歩にはなった。
だが、まずはデータをどのようにして入力するかが非常に重要だ。シエラレオネでは280人の任命された人々が手で投票を数え、そのデータを許可されたブロックチェーンに書き込んだ。この方法では理論的には人間が数字を改ざんする可能性がある。アゴラの最高経営責任者(CEO)がコインデスクに語ったところによると、今後のバージョンの投票システムでは、不正を働く余地が今よりも少なくなるそうだ。
- 参照元: CoinDesk