ロシア、軍人のスマホ使用を禁止へ
現役ロシア兵は、しばしば不適切な場所に姿を見せている。だから、ロシア国会は位置情報を発信する機器とアプリの使用をやめさせることにした。
この新しい法律は、軍関係者が自分自身や同僚に関するオンライン投稿や、音声、写真、動画、位置情報データのインターネット配信が可能な機器の使用を禁止する。最終法案は2月19日、ロシア国家院(下院)で可決され、 ウラジミール・プーチン大統領の正式な承認を待つ段階だ。同法は2017年の規則をベースとしており、この規則によってロシア兵は自撮りを含む情報のオンライン共有を禁じられている。
安全保障担当者やジャーナリストらは、ロシアによるシリアやウクライナへの軍事介入の実情を把握するために、ロシア兵のSNS投稿を利用してきた。それらの情報を調査した結果がロシア政府の発表と、あからさまに矛盾していることもあった。 ニューヨーク・タイムズ紙によると、今回の法案に付された説明用の注記では、直近のシリアでの軍事行動について具体的に触れている。また同法によって、ロシア軍新兵に対するいまだに当たり前のいじめや暴力、秘密裏に実施される入隊儀式などの訴えの裏付けも難しくなる。
スマホの取締りは難航するだろう。何しろ、携帯電話は小さく見落とされやすい機器だし、そこら中にあるからだ。だが、こんな禁止令を強いれる組織があるとすれば、それはロシア軍かもしれない。兵士たちを従わせるためには、懲戒処分の恐れと即時解雇のリスクがあれば十分なのかもしれない。
今回の法律はやりすぎに思えるかもしれないが、兵士が使用している電子機器を警戒するのは理にかなっている。 米国ではほぼ1年前、軍関係者がフィットネス・アプリ「ストラバ(Strava)」を介して基地の位置と配置図を漏えいしてしまったことが発覚した。米軍はこの恥ずかしい経験から、インターネットに接続されたガジェットは常に安全保障上のリスクになり得るという教訓を学んだのだ。