中国配車サービス大手、運転手による殺人を受けて監視強化へ
乗客が5月6日に殺害されたことを受けて、中国の配車サービス企業のディディ・チューシン(滴滴出行)は、走行中の車内を撮影することを検討していると発表した。
ディディが提供するアプリのSOSボタンを乗客が押すと、音声と映像の記録が開始される。同時に、顧客担当者がリアルタイムで車内の音声と映像を監視する。
今回の動きは、ディディの相乗りサービスを使用した若い女性が殺された事件に対する世間からの激しい非難に対応するものだ。女性は運転手に性的な誘いをかけられたとされている。同社のアプリは、相乗り相手を確認するのに役立つように設計されたソーシャル機能を備えていた。一部の運転手は乗客を選ぶ際、乗客の外見を評価するのにその機能を利用していたと報じられている。
中国の消費者は、他の国に比べてより簡単に監視技術を受け入れる傾向がある。相乗りサービスを利用する乗客に対する運転手の暴行は、世界的に問題となっている。ディディが安全対策として車内撮影を導入したら、他の配車サービス企業も追従する可能性がある。最近、ウーバーのダラ・コスロシャヒCEO(最高経営責任者)は、ワシントンポスト紙に対して、ウーバーが「最も安全な配車プラットフォームである」ことを消費者に納得してもらうため、利用中の映像を撮影することを検討していると述べた。