3Dプリンター銃の設計図が公開差し止めも、すでに数千人がDL
DIY銃を作るためのデジタル銃設計図の公開が停止された。
ディフェンス・ディストリビュート(Defense Distributed)の創設者であるコディ・ウィルソン代表は、2013年、自身のWebサイトに、3Dプリンターで製造できる初の完全な銃の設計図(3Dモデル)をアップロードした。その後すぐ、米国務省はアップロードした設計図の削除を命じた。今年7月、ウィルソン代表は長い法廷闘争を経て司法省と和解し、現在は合法的に銃の設計図をネット上で共有できると明かした。その際、引き合いに出したのが、合衆国憲法修正第一条にある「表現の自由」である。
反発はすぐに起きた。8つの州とコロンビア特別区の司法長官は、トランプ政権に対し、オンラインでの銃設計図の共有を阻止するよう求める訴訟を起こした。だが、ドナルド・トランプ大統領はそれほど気にかけていないようだ。7月31日にはこうツイートした。「今、3D(プリンターで作った)プラスチック銃の一般販売について調べている。すでにNRA(全米ライフル協会)とも話したが、どうも理にかなっていないようだ!」。
反発を受けて、ウィルソン代表は当初、8月1日から公開するとしていた設計図を予定よりも早くアップロードした。公開直後の数日間で、数千人が図面データをダウンロードしたという。
7月31日、シアトル州の連邦地裁判事が、オンラインでの銃設計図の公開を阻止する全国的な仮差し止め命令を出した。判事は「取り返しのつかない損害を招く可能性」があるとし、修正第一条に関する問題は後で解決できると述べた。ウィルソン代表は命令に応じ、サイトと設計図を削除したが、法廷闘争は続けていくつもりだ。次回の審理は8月10日に開かれる。
一連の出来事への関心は、長い目で見てウィルソン代表を助けるだろう。ディフェンス・ディストリビュートは、DIY銃製造者が公開する3D銃設計図を活用できる機器を製造している。もしウィルソン代表が最終的に、設計図をオンラインで公開する法的許可を得られれば、銃製造機器を販売するための大きなプラットホームを手にできるのだ。