フェイスブックは欧州の追求を乗り切れるのか?
フェイスブックの巨大なデータスキャンダルは議会の公聴会で落ち着きを取り戻した。だが、これからフェイスブックが戦うのは欧州の手強い議員たちだ。
ブルームバーグによると、マーク・ザッカーバーグCEO(最高経営責任者)は、今週、サンフランシスコを訪れる欧州委員会のアンドルス・アンシプ副委員長と会談するという。アンシプ副委員長は、デジタル・ビジネスの規制を担当している。
欧州議会と英国議会の委員会は、ケンブリッジ・アナリティカがユーザー・データを入手した方法について、ザッカーバーグCEOに説明を求めている。だが、現在のところ、ザッカーバーグCEOはこれに応じず、代わりに他の幹部を欧州へ派遣するつもりだ。
Webメディアのアクシオス(Axios)が指摘するように、米国の規制がフェイスブックに適用されるまでにはまだ長い時間がかかるだろう。一方、欧州ではザッカーバーグCEOが眠れなくなるような事態がすでに起こっている。5月には欧州連合(EU)全体で新しい一般データ保護規則(GDPR)が施行されるうえに、巨大テック企業をここのところ締め付けている反トラスト規制当局がフェイスブックも狙う可能性がある。
欧州には米国よりもフェイスブックを活発に使っているユーザーがいる。だが、今のところフェイスブックの弁解ツアーの焦点は米国で、米国国民と議員の懸念を和らげるのに必死だ。ザッカーバーグCEOとアンシプ副委員長との会合は、大西洋を横断して拡大する懸念を沈静化するための新たな戦いの始まりにすぎない。