筋ジストロフィーの遺伝子療法、米国で治験始まる
筋ジストロフィーを患う4人の少年が、遺伝子置換療法による治療を受けた。科学者たちがこの病気を治せる期待がいよいよ高まっている。
マサチューセッツ州ケンブリッジのバイオテクノロジー企業であるサレプタ・セラピューティクス(Sarepta Therapeutics)によると、遺伝子療法を受けた少年たちは高いレベルのジストロフィン値を示したという。ジストロフィンは筋ジストロフィーの患者に欠けているタンパク質である。
筋ジストロフィーはよく見られる病気だが、命に関わり、現時点では治すことができない。サレプタの株価は6月19日に50%上昇した。
ジストロフィンの生成を指示する遺伝子は、ヒトゲノムで最も大きな遺伝子の1つだ。欠陥のない新たな遺伝子を体内に注入するためウイルスの中に詰めるにはサイズが大きすぎる。サレプタのチームはこの課題を、ウイルス内部に収まるサイズに縮めたジストロフィン遺伝子のコピーである「マイクロジストロフィン」を使うことで乗り越えた。別の対処法として、クリスパー(CRISPR)による遺伝子編集に着眼している企業もある。
サレプタの研究はオハイオ州のネイションワイド小児病院で実施されている。同様の研究を、ファイザーとソリッド・バイオサイエンシズ(Solid Biosciences)がそれぞれ準備中だ。
- 参照元: STAT