「米軍へのホロレンズ10万台供給は中止を」MS社員らが要請
100人以上のマイクロソフト従業員が公開書簡に署名し、 拡張現実(AR)ヘッドセット「ホロレンズ(HoloLens)」を米軍に提供する契約を破棄するよう同社に要求した。
マイクロソフトは昨年11月、10万台のホロレンズの受注を米軍から勝ち取った。米軍はホロレンズを訓練に使用するだけだなく、世界で初めて、実戦において「殺傷力を高める」ために用いる計画だ。公開書簡に署名した同社の社員たちは、この点を特に憂慮している。
マイクロソフトの従業員たちは、ホロレンズの供給契約を破棄すると同時に、兵器テクノロジーに関する業務をすべて停止するよう求めている。さらに、外部の独立した倫理委員会を置くことも要求している。公開書簡には、「我々は兵器を開発する就業契約はしておらず、我々の仕事がどのように使われるかについての発言権を要求します」と記されている。戦争をシミュレーションの「ビデオゲーム」のようなものにしてしまい、兵士たちを血なまぐさい現実から遠ざけることになるこの契約を非難している。
従業員らの公開書簡は、2月25日からバルセロナで開催されている「モバイル・ワールド・コングレス(Mobile World Congress:MWC)」で、マイクロソフトが「ホロレンズ2」を発表するわずか2日前に出された。