KADOKAWA Technology Review
×

ニューズラインエマージング・テクノロジーの最新情報をお届け。

ジェフ・ベゾス、月着陸船「ブルー・ムーン」を披露
Blue Origin
Jeff Bezos has unveiled Blue Origin’s lunar lander

ジェフ・ベゾス、月着陸船「ブルー・ムーン」を披露

航空宇宙企業ブルー・オリジン(Blue Origin)のジェフ・ベゾス創業者(アマゾンCEO)は、ワシントンDCで5月9日に開催したプライベート・イベントで、新型ロケットとエンジン、それに月着陸船の詳細を明らかにした。

ベゾス創業者が公開したのは、ブルー・オリジンが3年間を費やして開発した月着陸船「ブルー・ムーン(Blue Moon)」。6.5トンの積載物を搭載して月面に着陸できる巨大な宇宙船だ。ブルー・ムーンの月面着陸イメージを描いた映像はこちらで見られる。

ブルー・オリジンの発表によると、エアバス(Airbus)、マサチューセッツ工科大学(MIT)、ジョンズ・ホプキンズ大学、アリゾナ州立大学などの複数の顧客がブルー・ムーンを利用する予定。

ブルー・ムーンは「ニュー・グレン(New Glenn)」を使って月に向かう。ニュー・グレンはブルー・オリジンが製造するロケットとしては過去最大で、巨大なブルー・ムーンを格納できる。天候の制約が少なく、最初から人間を運ぶつもりで設計されている。1段目は同社の弾道飛行ロケット「ニュー・シェパード(New Shepard)」やスペースXのロケット同様、再使用ができ、ミッション完了後に着陸する。最初の打ち上げは2021年の予定だ。

ブルー・オリジンは新エンジン「BE-7」も発表した。BE-7の推力は約44.48キロニュートンで、今年中に初の高温燃焼試験を実施する計画。このエンジンがブルー・ムーンに搭載される。

「今年、ニュー・シェパードに人を乗せて飛ばします。とても興奮しています」とベゾス創業者は語った。これは以前からの約束だったが、実現にさらに一歩近づいた。

2024年までに再び月を目指すという米国航空宇宙局(NASA)の計画を達成するのに、ブルー・オリジンが役立つとベゾス創業者は強調した。「再び月に戻る時が来ました。今回は月に滞在するためです」(ベゾス創業者)。

 

エリン・ウィニック [Erin Winick] 2019.05.10, 15:21
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。2024年受賞者決定!授賞式を11/20に開催します。チケット販売中。 世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を随時発信中。

特集ページへ
MITテクノロジーレビューは有料会員制サイトです
有料会員になると、毎月150本以上更新されるオリジナル記事が読み放題!
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る