電気自動車がガソリン車よりも安い時代がやってきた
電気自動車にとって素晴らしいニュースがある。しかし今のところは、非常に微妙な状態だ。
応用エネルギー(Applied Energy)誌に掲載された新たな研究結果によると、テキサス州、カリフォルニア州、英国において自動車を4年間にわたって所有した場合の総コストは、電気自動車の方がガソリン車より安くなるという。この分析は燃料や整備にかかる費用だけではなく、購入費と減価償却費も考慮に入れている。特に顕著な差が見られたのは英国で、電気自動車の所有コストがガソリン車よりも10% ほど低いという結果であった。
分析では、米国や英国でハイブリッド車を所有すると、同じようなクラスのガソリン車を所有するよりも高くつくこともわかった。ハイブリッド車はガソリンだけで走行する自動車より燃費が良いが、従来のガソリン燃焼装置の維持費に加えて、バッテリーと電気モーターを搭載することで追加される費用により、パワートレイン(動力をタイヤに伝える装置)のコストがかさんでしまうのだ。
しかしながら、電気自動車の勝利は、政府の政策に大きく左右される。電気自動車の価格の優位性は依然として、電気自動車の購入を促進するために政府が出している補助金によるところが大きい。少なくとも米国では、現在は減税のおかげで電気自動車を購入するのは賢い選択となっているが、トランプ政権がこの減税をいつ取りやめるかわからないという懸念がある。
とはいえ、かすかな望みも残されている。今回の分析を実施した研究者たちがガーディアン誌に語ったところによると、バッテリーの低価格化に伴って、2025年までには、購入を促進する補助金がなくても電気自動車の方が類似クラスのガソリン車より安くなるかもしれないという。
- 参照元: Applied Energy、Guardian