AI対プロゲーマー、注目の一戦で世界トップクラスのAI破れる
プロゲーマーで構成されたチームが、カナダ・バンクーバーで開催された大規模なビデオゲーム大会「ドータ2(Dota 2)公式世界大会」 で、最先端の人工知能(AI)アルゴリズム・グループに勝利した。
複雑なタスクにおいてはいまだ人間の方がAIソフトウェアよりもはるかに賢いことが証明されたと言える。このAIアルゴリズム・グループは、以前、今回の人間チームよりも弱いチームには複数回勝利している。
対戦に使われたAIアルゴリズムは、テスラのイーロン・マスクCEOやYコンビネータのサム・アルトマン社長らが資金を提供する非営利のAI研究団体オープンAI(OpenAI)が開発したものだ。「オープンAIファイブ(OpenAI Five)」と名付けられたアルゴリズムは、それぞれのアルゴリズムが強化学習を使ってゲームのプレー方法を学ぶ5つのニューラル・ネットワークである。
DOTA2は、無秩序に広がる宇宙を舞台にした戦場の中で、2つのチームが領土をめぐって戦うゲームだ。ゲーム内容は複雑でチームワークを必要とし、時間の経過とともに物語が展開するため(それによって、勝負の展開を予測することが難しい)、AIにとっては難しい内容だ。8月22日の試合中、オープンAIファイブはぎりぎりのところで負けそうになって苦戦する一方で、時折奇妙な行動を見せることもあった。全体的に見て、オープンAIファイブは、世界最高峰の人間プレーヤーたちに対して立派に戦っていた。
オープンAIファイブは、画面上の表示を頼りにプレーする人間のプレーヤーとは異なり、ゲームのアプリケーション・プログラミング・インターフェイス(API)を使用している、と指摘する声もある。AIの方がより多くのゲーム情報に即座にアクセスできるというわけだ。だが、それにしても、AIにとってすばらしい成果であることに違いはないだろう。