KADOKAWA Technology Review
×
2024年を代表する若きイノベーターたちに会える!【11/20】は東京・日本橋のIU35 Japan Summitへ

ニューズラインエマージング・テクノロジーの最新情報をお届け。

ディープマインド、「AIの暴走」防ぐ開発ガイドラインを発表
OpenAI
How DeepMind plans to stop AI from behaving badly

ディープマインド、「AIの暴走」防ぐ開発ガイドラインを発表

アルファベット(グーグル)の子会社であるディープマインドの研究者たちが、人工知能(AI)の開発における安全性を保証する方法について詳細に説明した。

ディープマインドがガイドラインで目指しているのは、問題に対して独自に解決策を学習し、考え出せるような強力なAIシステムが、予期せぬ望ましくない振る舞いを始めないようにすることである。

カギとなるのは、AIシステムの意図した行動を、望ましくない結果を避ける方向に指定することだという。すなわち、予測不可能な事態に対する堅牢性をAIシステムに持たせ、必要に応じて保証を提供したり、行動を無効化したりするのだ。

AIの突飛な行動に関する研究は、学術研究における成長領域だ。奇妙な行動を開始した機械学習システムの例は豊富にあり、大抵は面白いものだ。たとえば、コーストランナーズ(CoastRunners)というゲームを動かしていたAIは、ポイントを稼ぐためにかなり奇怪な方法を編み出した。ゲームの趣旨通りにレースを終えるよりも、レースを終えずに(上に掲載したGIF画像のように)コース周辺の特定の障害物に衝突する方がよりポイントを稼げることを学んだのである。ディープマインドのAIセーフティ・チームはまた、AIが動作中に危険と思われる振る舞いを始めたら、AIが自分自身を停止させる方法についても紹介している。

AIシステムが危険なほどに自律化するのはまだまだ先の話で、過度に恐れる必要はない。いずれにせよ、AIアルゴリズムに潜在する偏見や、多くの機械学習システムのブラックボックス化問題の方が、現在、心配すべき遥かに大きな問題である。

ウィル ナイト [Will Knight] 2018.10.01, 10:28
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。2024年受賞者決定!授賞式を11/20に開催します。チケット販売中。 世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を随時発信中。

特集ページへ
MITテクノロジーレビューは有料会員制サイトです
有料会員になると、毎月150本以上更新されるオリジナル記事が読み放題!
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る