ソフトは無料でハードで稼ぐ、バイドゥの自律運転の事業モデル
中国のテクノロジー大手のバイドゥ(Baidu)は、自動車を自律化する簡単な方法を探している企業向けに、すぐに購入して使えるハードウェアを販売する予定だ。
バイドゥは、「アポロ(Apollo)」と呼ばれる自律自動車向けのプラットフォームを有している。アポロはオープンソースのアプローチを採っており、ソフトウェア開発者向けに訓練データと自律運転用ソフトウェアを無料で提供する。
バイドゥはさらに、1月26日に北京で開催された会合で、自動車に搭載して自律運転ソフトウェアを実行するための一連のハードウェアである「アポロ・コンピューティング・ユニット(ACU:Apollo Computing Units)」を販売するつもりだと述べた。最も高度なACUは自律運転が可能だが、まだセーフティ・ドライバー(問題が起こった場合などに運転を代わる人間の運転手)は必要だ。
自律自動車の開発で競合する他の企業もこれまでに、プラグアンドプレイで使える自律機能を試してきた。だが、バイドゥは自動車産業における80社以上の提携企業、大量のデータ、そして人工知能(AI)の膨大な能力を有しており、優位に立っている。
バイドゥのこうした戦略にはどんな意味があるのだろうか? ソフトウェアを無料で、ハードウェアを有料で提供するのは、AIの技術を企業の利益に変える賢い方法である。さらに、バイドゥのテクノロジーを迅速に多くの自動車に搭載することで、グーグル傘下のウェイモ(Waymo)に追いつき、追い抜くことも可能になる。