フェイスブックやめると気持ち明るく、スタンフォード大ら研究
フェイスブックをやめると、気持ちが明るくなり、政治の話からも遠ざかるが、党派心も薄れることが、新たな研究で分かった。
この1年、フェイスブックによるデータ不正使用のスキャンダルがほぼ毎日のように騒がれていたにもかかわらず、利用者がアカウントを完全に解除しようとする動きはほとんどない。しかし、新たな研究によれば、たとえ一時的でも、フェイスブックから離れてみる価値はありそうだ。
スタンフォード大学とニューヨーク大学の研究者グループが、1日平均1時間以上フェイスブックを使っている2488人を集めた。そのうちの半分の人たちを無作為に選んで、昨年の米中間選挙運動期間中の4週間、フェイスブックを使わせなかった。その見返りとして、被験者に102ドルが支払われた。これは以前の研究でユーザーにとってのフェイスブックの「金銭価値」として割り出された金額だ。被験者は定期的に研究者からテキストメッセージを通してその時の気分を問われ、同時に研究者は被験者が実際にアカウントを使用していないことを確認した。
フェイスブックをやめていたグループにはさまざまな効果があった。まず、友達や家族と過ごす時間が多くなった。新たに生まれた余暇をソーシャルメディアに費やすことはせず、その時間でテレビを観た。さらに、フェイスブックを使い続けたグループに比べて、顕著に気持ちが明るくなっていた。ニュースについて知ることは少なくなったが、その分政治的な偏向も薄れていた。そして被験者らは、実験が終了した後も長い間、フェイスブックに費やす時間を減らしていた。
今回の研究自体は、フェイスブックがユーザーに大きな恩恵をもたらすことを示す多くの事例的データを得た。「ソーシャルメディアの弊害に関する議論では、ソーシャルメディアが深く広範なニーズを満たしているという基本的な事実に目をつぶるべきではない」と研究グループは記述している。しかし、同じく無視することのできないもう1つの中核的な発見がある。「人々は予想以上にフェイスブックの無い生活を楽しめるということに気づいた」。