KADOKAWA Technology Review
×

ニューズラインエマージング・テクノロジーの最新情報をお届け。

より高精度な遺伝子編集「CRISPR 2.0」スタートアップが設立
Stephanie Mitchell
Here comes a more precise version of CRISPR

より高精度な遺伝子編集「CRISPR 2.0」スタートアップが設立

「一塩基編集」と呼ばれる、さらに高精度のゲノム編集ツールによって病気を治療する最初の企業、ビーム・セラピューティクス(Beam Therapeutics)が5月14日に設立された。

DNAは塩基文字(A、C、G、T)の多数の組み合わせで構成されている。ハーバード大学の化学生物学の教授であり、ビームの共同創業者であるデイビッド・リウ博士が開発した一塩基編集ツールは、ゲノム内の何十億という塩基のうちのたった一つをターゲットとするように設計されている。

従来のクリスパー(CRISPR)システムは、異なる塩基文字の配列である遺伝子全体に作用して、DNAの二重らせん構造を切断してしまう。リウ博士の一塩基編集ツールは、単独の塩基を別の塩基に直接入れ換えることで、遺伝子の突然変異を修正する。昨年、中国の研究者たちが一塩基編集を使ってヒト胚から疾患を取り除いたと報告しているが、人間に対してはまだ試されていない。

ビームの共同創業者の一人に、クリスパーのパイオニア、フェン・チャン博士がいる。チャン博士はどの疾患を治療対象にするかについては言及していない。しかしプレスリリースの中で、ビーム・セラピューティクスは、最も悲惨な遺伝性疾患のいくつかを、一塩基編集で治療できる可能性があると述べている。

エミリー マリン [Emily Mullin] 2018.05.15, 11:28
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。2024年受賞者決定!授賞式を11/20に開催します。チケット販売中。 世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を随時発信中。

特集ページへ
MITテクノロジーレビューは有料会員制サイトです
有料会員になると、毎月150本以上更新されるオリジナル記事が読み放題!
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る